日本がん検診・診断学会の歴史と沿革
“現在我が国にはがん検診に携わっている学会は多数があるが、いずれも共通の連なりがない。癌学会、癌治療学会と横並びに検診・診断を主体にしたがん検診・診断学会は必要であり、これによってがん検診・診断の発展が期待できる。”
日本消化器集団検診学会理事長 有賀槐三氏は上記主旨のもとに平成3年10月17日、日本肺癌学会(代表 坪井 栄孝氏)日本婦人科がん検診学会(代表 天神 美夫氏)らに呼びかけ第1回がん検診打ち合わせを開く運びになった。平成4年5月第3回の打ち合せの際に賛同する関連学会は更に増え、日本腎泌尿器疾患予防医学研究会(代表 渡邊 泱氏)、日本乳がん検診学会(代表 木戸長一郎氏)が参画した。この段階で、がん検診準備会を発足させる事になった。
平成4年11月には更に日本小児がん学会(代表 澤田 淳氏)が参画し本会の名称をがん検診協議会と改称した。本協議会の主旨は“各種がん検診に共通した諸問題、特にがん診断学、検診方法、精度管理、検診の評価及び行政の対応などについて協議し日本におけるがん検診の発展に寄与する”というものである。
平成5年9月日本医学放射線学会(代表 片山 仁氏)が参画し本協議会を支える母体学会は7学会にまで発展してきた。
平成5年11月5日 日本医師会館において第1回がん検診協議会シンポジウム(代表世話人 天神美夫氏)を開催し180人の参加者を得た。がん検診の現状、行政への対応などについて論議されかなりの成果を上げる事ができた。
この頃より協議会を学会にすべきであるという機運が急速に台頭してきた。すなわち現在、癌を主体にした学会には基礎研究を主体にした癌学会、治療を主体にした癌治療学会があるがこれに加えて診断と検診を主体とした学会の存在は是非とも必要であるという結論に達したのである。
このような経緯を経て平成6年12月9日第2回がん検診協議会シンポジウムの折に日本がん検診・診断学会の誕生を見たのである。そしてこの時点で第2回日本がん検診・診断学会と呼称した。