第5回日本がん検診・診断学会習熟講習会のご案内
日本がん検診・診断学会
認定医制度委員会
この度、がん検診認定医の方々及びがん検診に関わる医師を対象に、日本がん検診・診断学会習熟講習会を下記の要領で開催いたしますので、認定医資格を得られた方は是非ご出席くださいますようご案内いたします。本講習会を受講されますと、5年後の資格更新に必要な教育研修単位合計50単位のうち25単位を取得できます。
多数の方々のご出席をお待ちしております。
本講習会は、認定医資格をお持ちでなくとも、日本がん検診・診断学会会員あるいは関連7学会会員であればどなたでも受講できます。
※第5回日本がん検診・診断学会習熟講習会は無事終了致しました。 |
記
日時 | : | 2011年12月3日(土) 14:00〜17:20(開場 13:30) |
会場 | : | 駿河台日本大学病院 3階講堂 (東京都千代田区神田駿河台1丁目8-13(JRお茶の水駅より徒歩5分)) |
受講料 | : | 5,000円(当日会場で徴収します) |
講師 | : | 田島和雄(愛知県がんセンター研究所 所長) 本川達雄(東京工業大学大学院生命理工学研究科生体システム専攻教授) |
プログラム
14:00〜14:05 | 開会挨拶 小川 眞広(認定医制度委員会委員長) |
14:05〜15:05 | 『ゾウの時間・ネズミの時間・医療の時間』 本川 達雄 (東京工業大学大学院生命理工学研究科生体システム専攻教授) |
15:05〜15:25 | 質疑応答 |
15:25〜15:35 | 休憩 |
15:35〜16:35 | 『がんの疫学研究からウイルス考古学への展開』 田島 和雄(愛知県がんセンター研究所 所長) |
16:35〜16:50 | 質疑応答 |
16:50〜17:20 | 総合討論 |
(※プログラムは一部変更することがあります。)
講師と講演内容のご紹介
本川 達雄 氏
昭和23年仙台市生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。東京大学助手、琉球大学講師・助教授をへて、平成3年より現職。主な著書に「ゾウの時間ネズミの時間」(中公新書)、「生物学的文明論」(新潮新書)、「ナマコガイドブック」(阪急コミュニケーションズ)など。
動物の時間についてお話しします。それをもとに、人間の時間、さらに医療について考えてみます。
私たちは、時間は万物共通のものと、ふつう考えていますが、動物が関わると、話は変わってきます。動物の時間は体の大きいものほどゆっくりで、時間は体重の1/4乗に比例するという関係があります。
体重あたりどれだけのエネルギーを使うかを比べると、時間の速度とエネルギー消費量が比例することがわかります。エネルギーを使えば使うほど、時間が速く進むのです。この事実をもとに、一歩踏み込んで言えば、生物はエネルギーを使って時間を生み出していると言えるのではないかでしょうか。
エネルギーを使えば時間が速く進む。エネルギーを使えば時間が生み出せる。このような関係は、われわれの社会生活の時間にも当てはまりそうです。車もコンピュータも、エネルギーを使って時間を速めているものですね。そうすると、余暇という時間が生み出せます。
現代人は、エネルギーを使って時間を生み出しているのだと私は考えています。生み出し方の一つは、今言ったように、エネルギーで機械を動かして余暇を得る。もう一つの生み出し方が、医療。現代の医療はエネルギーが無ければ成り立ちませんから、エネルギーを使って、長寿という時間を生み出していると言えるでしょう。
3.11は、エネルギー問題を私たちに突きつけました。エネルギーと時間とを通して、医療のあり方を考えて見たいと思います。
田島 和雄 氏
昭和22年広島市生まれ。大阪大学医学部、ジョンス・ホプキンス大学・公衆衛生学部卒業。愛知県がんセンター研究所疫学部第一研究室長、疫学・予防部長、名古屋大学教授をへて、平成18年より現職。
南西日本で特異的に流行している成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)が提唱されたのは1976年、その原因ウイルスとしてヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-I)が1980~81年に日米の研究者により発見された。その後10年間でATLLの予防、診断、治療に向けた総合的な研究が日本で急展開した。私は1979年から、ATLLの地理病理学、HTLV-Iの感染経路の探索、HTLV-Iの母子感染予防、などの疫学研究に従事した。
一方、日本国内におけるHTLV-I感染者の特異的な地理分布を探索し、「がんの民族疫学」という新しい研究パラダイムを創り出した。環太平洋を中心にモンゴロイド集団におけるHTLV-Iの分布を探索するウイルス考古学的な研究を地球百周以上の距離、時間にして四半世紀にわたり続けてきた。これまでの研究結果の集大成により、世界のモンゴロイド集団の中で現在までHTLV-Iの集積が観察される集団は日本列島の日本民族と南米のアンデス高地民族に限定できることを解明した。さらに、アンデス高地民族のHTLV-Iは1,500年前のミイラからも同定され、プロウイルス関連遺伝子の塩基配列は現存するアンデス高地民族や日本民族のそれらと類似していた。
われわれは日本と南米諸国の多分野にわたる研究者たちの協力を得ながら、ユニークな人類遺伝学的仮説「日本列島の先住民族とアンデスの先住民族の同一起源説」をかかげ、その壮大なる研究ドラマのクライマックスとも言えるウイルス考古学的エポックを醸し出してきた。本講習会ではダイナミックな疫学研究の醍醐味について紹介してみたい。
お問い合わせ先
日本がん検診・診断学会事務局
株式会社クバプロ
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