第10回日本がん検診・診断学会習熟講習会のご案内

開催概要  プログラム  岡田典弘先生のプロフィール・講演要旨  篠崎伸明先生のプロフィール・講演要旨

日本がん検診・診断学会
認定医制度委員会

この度、がん検診認定医の方々及びがん検診に関わる医師を対象に、日本がん検診・診断学会習熟講習会を下記の要領で開催いたしますので、認定医資格を得られた方は是非ご出席くださいますようご案内いたします。本講習会を受講されますと、5年後の資格更新に必要な教育研修単位合計50単位のうち25単位を取得できます。

多数の方々のご出席をお待ちしております。

本講習会は、認定医資格をお持ちでなくとも、日本がん検診・診断学会会員あるいは関連7学会会員であればどなたでも受講できます。

第10回日本がん検診・診断学会習熟講習会の事前参加申し込みは締め切りました。
会場に余裕がございますので、参加希望の方は、当日直接会場までお越しください。

日時2017年1月21日(土) 14:00〜17:20(開場 13:30)
会場日本大学病院 5階 大会議室 (東京都千代田区神田駿河台1-6)
受講料5,000円(当日会場で徴収します
事前申込締切  2017年1月10日(火)正午まで

プログラム

14:00〜14:05開会挨拶
小川 眞広(認定医制度委員会委員長)
14:05〜15:05『レトロポゾン、病気、進化』
岡田 典弘(国際科学振興財団 主席研究員/東京工業大学名誉教授)
15:05〜15:25質疑応答
15:25〜15:35休憩
15:35〜16:35『徳洲会オンコロジープロジェクトの現状 〜3人に1人ががんで亡くなる時代〜』
篠崎 伸明(湘南藤沢徳洲会病院 院長)
16:35〜16:50質疑応答
16:50〜17:20総合討論

(※プログラムは一部変更することがあります。)


講師と講演内容のご紹介

岡田典弘先生岡田 典弘 先生

国際科学振興財団 主席研究員/東京工業大学名誉教授

『レトロポゾン、病気、進化』

<ご専門分野>
分子生物学、進化学、系統学、分子遺伝学

<ご略歴>
学歴:東京大学農学部農芸化学科卒業(1973)
東京大学院薬学系研究科博士課程製薬化学専攻修了、薬学博士取得(1978)
職歴:国立がんセンター研究所研究生(1978-1978)
USA/NIH研究員(1978-1979)
筑波大学生物科学系講師(1979-1988)
筑波大学生物科学系助教授(1988-1992)
東京工業大学生命理工学部教授(1992-2000)
東京工業大学大学院生命理工学研究科教授(2000-2013、3月末日定年退職)
長浜バイオ大学客員教授(2012,9月-)
国立成功大学(台湾)客員教授(2012,8月-2013,1月)
国立成功大学(台湾)教授(2013,2月-)
国際科学振興財団、シーラカンス研究所所長、主席研究員
Editor:Journal of Molecular Evolution, Associate editor(2001-2004)
The Journal of Biochemistry, Advisory Board(2002-2005)
Journal of Mammalian Evolution, Associate editor(2002-)
GENE, Associate editor(2004-)
Genes & Genetic System, editor(2004-2012)
Molecular Biology and Evolution, editor(2006-2013)

<受賞暦>
日本生化学会奨励賞(1981)
内藤記念科学奨励金(1985)
日本遺伝学会奨励賞(1986)
木原記念財団学術賞(1996)
手島記念研究賞(1998)
AAAS(American Association for the Advancement of Science)のFellowに選出(2001)
日本進化学会木村賞(2003)
藤原賞(2006)
日本遺伝学会木原賞(2006)
紫綬褒章(2007)
東レ科学技術賞(2010)

岡田典弘先生講演要旨<講演要旨>
レトロポゾンとはDNAの情報が一旦RNAに転写されたのちに、逆転写酵素の働きでcDNAが合成されそれがゲノム中に挿入されたものの総称である。コンピュータの操作に例えるとcopy & pasteである。一般的にはジャンクDNAと言われ、機能を持たない。ヒトゲノムのほぼ半分はこのレトロポゾンで占められている。アミノ酸をコードしているいわゆる機能的な遺伝子領域がゲノムのほんの1.5%しか占めていないことを考えると、いかに膨大な領域がレトロポゾンによって占められているか判ると思う。レトロポゾンがたまたま遺伝子の領域に飛び込むと遺伝子が破壊され病気の原因になる。実際に多くのそのような病気が発見されている。 我々はこのレトロポゾンのあるなしを指標とした新しい系統解析の方法を発見し哺乳動物の多くの未解決であった系統の解明に貢献してきた。鯨とカバが近縁であるということの発見はその一つである。また、初期真獣類の三つの系統が同時に分岐したことを証明し、その発見を元にパンゲアという超大陸がローラシア大陸、アフリカ大陸、南アメリカ大陸の3大陸に1億2千万年前にほぼ同時に分岐したという新しい仮説を提唱している。このいわゆる系統解析のための「レトロポゾン法」がいかにパワーフルであるかを紹介したい。


篠崎伸明先生篠崎 伸明 先生

湘南藤沢徳洲会病院 院長

『徳洲会オンコロジープロジェクトの現状 〜3人に1人ががんで亡くなる時代〜』

<ご略歴>
学歴:千葉大学医学部卒業(昭和49年)
職歴:医療法人徳洲会茅ヶ崎徳洲会病院勤務(昭和55年)
医療法人徳洲会札幌徳洲会病院勤務(昭和62年)
医療法人徳洲会茅ヶ崎徳洲会病院勤務(昭和62年)
湘南鎌倉病院勤務(昭和63年)
医療法人徳洲会 松原徳洲会病院 院長(平成11年)
医療法人徳洲会 常務理事就任(平成14年)
一般社団法人徳洲会 専務理事就任(平成16年)
医療法人社団愛心会 湘南厚木病院 院長(平成17年)
医療法人沖縄徳洲会 専務理事就任(平成20年)
医療法人徳洲会 専務理事就任(平成21年)
医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院 院長(平成26年)

<認定医の資格>
日本外科学会専門医、指導医

<所属学会>
日本内視鏡外科学会評議員
日本クリニカルパス学会評議員
マネジメント学会評議員

<講演要旨>
1973年、徳洲会は「生命だけは平等だ」の理念の下、いつでも、どこでも、だれもが最善の医療を受けられる社会を目指して始まり、創業の原点である救急医療「患者さんを断らない医療」を実践するため、グループを形作ってきた。救急医療が浸透し、急性期医療である循環器領域、脳卒中領域の診療も充実することになる。2004年、がん医療の必要性を考え、オンコロジープロジェクトをグループとして取り組み始めた。当時はグループ内外で徳洲会は救急医療を行うところとの認識があり、がんを診る医師は少数派であった。しかしながら、着実に進捗していった背景として、文科省のオーダーメイドプロジェクトや治験事業にも取り組んできたことがある。つまりプロジェクトをグループとして動くことが必要になり、様々なプロジェクトを行うにもプラットフォームの統一化が不可欠となった。そこで、71病院、17,655床、外来患者数月間67万人、職員約3万人の共通言語として電子カルテを導入し標準言語となるよう整備し、グループ内にIT専門部門(データ管理・分析)を設置。さらにトータルヘルスケアの視点で多様なニーズに応えられるよう行動することを心がけ健診事業や日帰り手術、在宅医療にも同じように力を入れてきた。多くのプロジェクトを立ち上げることでグループとしてのスケールメリットを活かせることを知ったのも成果であった。
徳洲会オンコロジープロジェクトの目的はどこの徳洲会病院でもエビデンスに基づく標準治療を受けられることにある。
プロジェクトは①院内がん登録の整備・精度管理やがん登録実務者の養成、②徳洲会統一の標準レジメンの整備、③抗がん剤やがん免疫療法の治験、臨床研究・試験の実施、④キャンサーボードの整備、⑤地域がん拠点病院取得の5つを柱にしている。
高齢人口の増加とともに、3人に1人ががんで亡くなるという疾病構造にある。がん治療は進歩してきているが一方でがん難民も多く存在している。そういった方々の受け皿としての治験、臨床研究を行うこともこのプロジェクトの柱としている。
今後、がん医療は、治療だけでなく包括的な対応が求められる時代にシフトしてきていると捉え、「包括的がんセンター」という新たなコンセプトで、従来の外科手術をはじめ化学療法、放射線治療、免疫療法、さらには精神的なケア、MSWによる社会的援助、早期発見のためのがん検診、予防医学などの変化に対応できるよう理念を実践したい。


お問い合わせ先

日本がん検診・診断学会事務局
株式会社クバプロ
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-11-15 UEDAビル6F
TEL : 03-3238-1689
FAX : 03-3238-1837
E-mail : NPO法人日本がん検診・診断学会へのお問い合わせ


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